設計製図

2023年度(令和5年)1級建築士設計製図課題:図書館(実際の建築物)の例

2023年度(令和5年)の1級建築士設計製図課題:図書館にて実施例です、令和5年の設計製図の課題は『図書館』と凄くシンプルです過去の平成24年の地域図書館&平成4年のアトリウムと小ホールをもつ地域図書館&昭和48年の集会施設をもつ図書館等過去に何々もつ図書館と言う付属の施設がありましたが、今回は単独の図書館と極シンプルです、これはもう今までの施設シリーズと同じ様ですいじれにせよ極シンプルで身近にある施設なので設計行う前に自分の近くにある公共図書館を見に行き動線(来館者&管理者&サービスヤード等)&アプローチ(人&自転車&車等)&主室(書庫&閲覧室&書蔵庫等)&バックヤード(書庫の搬出入等)等その他等参照されたい。

⇒外観写真&断面図&1階平面図&2階平面図&屋上平面図等

 

 

 

 

 

⇒内部写真&各主要室の概要(仕上げ等)

 

 

 

 

 

⇒内部写真&施設への案内図等

 

 

2021年度(令和3年度)一級建築士設計製図試験の評価

2021年度(令和3年度)一級建築士設計製図試験の総評

 

設計製図試験実施直後に発表した当会の本年度設計製図試験の講評の内容は合格発表時に試験実施機関が公表した標準解答と「アプローチの取り方が最重要ポイントである」という点で完全に一致

 ・はじめに

級建築士設計製図試験について、平成21年の試験内容の見直しが試験実施機関より発表されて以来、試験課題の内容は、概してより高度な建築計画力を要するものとなってまいりましたが、本年の試験ではその傾向が一層顕著なものとなりました。
すなわち、本年度試験の課題条件においては
先ず敷地におけるアプローチの考え方が比較的難しい判断を要するものであり、それ故にその後の建築計画の適否に大きな影響力を与えるものとなっていることが注意すべきポイントであるといえます。

・本年度の試験課題における最も基本的な重要ポイントについて

この課題の敷地は、東西方向にやや長い長方形の敷地で、敷地の短辺に当たる東側には歩道付の幅員8mの広い道路が接し、同じく短辺に当たる西側には歩道のない幅員4mの狭い道路が接しています。
この課題の主要施設である住戸部門、居住者以外の人が利用するテナント部門(学習塾、カフェ等)及び施設管理部門、駐車場等への
アプローチをどのようにとるのかは、以降の建築計画に重要な影響を及ぼすわけですが、必ずしも決定的な考え方がある訳ではありません。
一般的に建築計画では学科のように正誤が必ずしもはっきりしている訳ではなく、どちらの方が総合的に考えてよりよい案であるかと判断される場合も多くあります。
この場合、学習塾、カフェ等の集合住宅の居住者以外の外部からの人の来るテナント部門のアプローチは、一般的にはやはり歩道付きの幅員の広い東側の道路からとるのが望ましいと考えられますが、住戸部門へのアプローチは、幅員の狭い西側の道路からでもよいと考えられなくもありません。
何故なら、西側の道路の反対側には何戸もの戸建て住宅が建っていることからもこの建物の住戸部門へのアプローチは必ずしも幅員の広い方の道路からとる必要はないのではないかとも考えられるからです。
しかしながら、幅員の広い東側道路の両側には店舗付集合住宅が建ち並んでいることからは、この建物の主要施設である住戸のメインアプローチは歩道付きの幅員の広い東側の道路からとするのがやはり自然で、試験の解答としてはより安全であると考えられます以上から、
住戸部門へのアプローチとテナント部門へのアプローチは共に東側の道路からできるだけ相互の距離はあけてとることとして、他方、西側の歩道のない幅員の狭い道路からは、管理用のアプローチ及び駐車場のためのアプローチをとり、かつ建物の西側には、管理用、駐車場からの出入りのための通用口を設けることがより望ましい考え方であるといえます。

但し、このように長方形の敷地の短辺に当たる東側道路から住戸部門とテナント部門の両方のアプローチをとることは、それぞれのエントランス、エントランスホールを建物の短辺となる東側にとることとなるため、ゾーニングや動線の整理等、この課題における建築計画上の難度は増すことになります。
但し、当会の設計製図の講座では、敷地の短辺方向からの住戸部門へのアプローチと住戸の居住者以外の地域住民のいわゆる外部の人の利用が可能なレストランやコミュニケーション施設等へのアプローチをどのようにとり、ゾーニングや動線をどのように整理するかという練習課題を何度か実施しており、それらに類似した課題と考えればそれほどの難しさはなかったのではないかと考えられます。
なお、この課題において、
住戸部門とテナント部門の関係をまったく別個の施設と考えるか、相互に関係のある施設と考えるかということも、この課題の建築計画上のポイントの一つと考えられますが、住戸部門の住民がテナント部門のカフェ等を利用する可能性も考えられ、また従来の試験課題でも複合施設からなる建物で、それぞれの施設の相互の関係が全くなく単に同居しているだけという課題は過去にもなかったことから、やはり住戸部門とテナント部門は、住戸部門のセキュリティに留意しつつ、内部で相互の連なりを考慮する必要があると考えられます。 なお、その場合、防火区画としての異種用途区画の必要性についても留意しておく必要があります。

・まとめ

以上のように、本年度の試験課題では建築計画を考える上での諸々のポイントがある中で、先ず最初に考えるべき建築計画全般に大きな影響を及ぼす重要なポイントとして、上記のような建物の諸々の部門へのアプローチをどのように計画するかということが、特にこの課題では重要なポイントであると考えられます。
何故ならば、この課題の条件では、アプローチをどのようにとるべきかという考え方は一つではなく、いくつかの考え方があり得る訳で迷いの生ずるところですが、採点のポイントがどのようになっているか確実に推測することは受験者には当然できませんので、
仮にそれによって建築計画上の難度が高くなっても、試験の解答案としてはあくまでもより望ましい安全側の解答案に考えておく必要があるといえます。
このように考えると、本年度の試験課題は、一見平易なもののようにも考えられるものの、
合格を確実にするためのレベルの解答案を作成するためには相当に高度な建築計画力を要する難度の高い課題であるとも考えられます。
以上が本年度の試験課題における建築計画を考える上での最も基本的な重要ポイントであり、特徴であるともいえると考えられます。

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